毎日一回は楽しいって言ってる。普段あまり考えてものを喋る人間ではなくほぼ無意識、反射で会話をしている(平たく言えば適当に喋ってる)んだけど楽しいは誰と喋ってても必ず言ってる。考えたくもないけどあんまりにも頻出するそれはまるで自分に言い聞かせてるみたいで、反射で出たそれに気付く度にゾッとしている。

楽しいのは決して嘘じゃなくて、自分の好きな仕事をしていて、しんどいこともままあれど職場の人間関係も決して悪くはなく、一日四人程度の他人とそれぞれ二時間ずつ会話をして、家に帰れば彼女と会話をして、休みの日は一人のことが多いけれどたまに友達と遊んで。十分楽しいと思う。十分と思ってしまっている。これで良しとしているのが嫌というわけではない。何でも求めすぎは良くないということを理解できる程度には大人になった。ただ何でも求めない限りは、自分でそれを得ようとしない限りは手に入らないということも同じくらい理解している。

今よりもっとずっと楽しくなりたいけれど今より楽しくなるための労力をお金を時間を使うことを怖がってめんどくさがって楽しいと言っている。ような気がする。

今が過去になっても俺はずっと今のまま平坦な生活で、それはきっと両親が望むもので俺が以前望んでいたもので、きっとそこで幸せなのだろうけど、できることなら余暇に生まれる一瞬の楽しいだけじゃなくてもっと毎日周囲の人間に(主に彼女なのだけど)嫌な思いをさせない程度に楽しくありたい。

自分が楽しむことで彼女が嫌がったり、一緒に楽しめないようなのであれば付き合い方を考えた方が良いというアドバイスをたまにもらうけどそれはまあ俺が楽しい時の彼女に対する配慮が欠けてしまうことが原因なことがほとんどなのでまあ、それは、まあ。

ほんとうはいっしょにたのしいのがいちばんなんだけど、どんだけ趣味や価値観が合おうとも一つ二つ考え方の相違はありますね、人間だから。こういうことをより考えていかなくちゃいけないのも今より楽しいから目をそらす要因の一つではあるけどどうにもこうにも。

ハサミ12万帰省費用3万ご祝儀3万