10代のことを思ってる。
20代になって1年経ってようやく10代には戻れないんだということを、自分はもう子供ではないんだということを理解してきた。
具体的な後悔はあまりない。バスケを続けていれば、だとか、楽器をもっと早く始めていれば、だとか、もっと友達を作っていれば、なんてことは大したことじゃあない。これからだっていつでも(多少時間の制約はあるだろうが)バスケをまた始められるし楽器の練習はできるし友達だって作れる。ただあの頃のバスケに対する熱量やベース上達への執着、友達との無茶や馬鹿をしたもん勝ちの感覚なんかはもう戻ってはこないんだと思うと何もやろうと思えない。
腹を抱えて笑ったりどうにもできないことに対して泣いたり、そういうことをこれから先何度経験できるのだろうか。腹を抱えて笑うことは随分減った代わりに落ち着いた心地良い会話が増えたことは退屈だとも悪いこととも思わない。人目も憚らず泣くようなことはまずなくなった。悔しくても悲しくても唇を噛んでグッと耐えたり、ただ呆然と立ち尽くしてしまうことが増えた。大人になったと思うのと同時にどうしようもなく10代の頃の毎日がフッと頭をかすめる。
21やそこらなんてまだまだ若いしこんなこと言うには早いし軽いとは思うが、これから先何年も10代の頃を思い返して、30代になれば20代も思い返して、40代になれば30代も思い返して、と思い返す過去が増えていくことがどうしても憂鬱で仕方がない。20代特有のあれでしょ(笑)とか後悔のない10代を送らなかった代償とかそういう糞みたいなあれは全部糞だから、30、40になって自分が今の自分にそういう糞を言ったら絶対殴ってしまうな。
「もし過去の自分に何か伝えられるなら?」という質問に「あれしとけこれしとけ」と考えてた高校生の頃の僕は、未来から来た僕に「たくさん泣いたり笑ったりしてくれ」と言われたらどんな顔してどう受け止めてくれるんだろうか。